数学U 円と直線の方程式(1) 日時:平成13年7月16日(月)2校時 

対象:高校2年A組(文・理)場所:コンピュータ教室

(目標) 2つの図形の共有点を通る図形の方程式を考える。 使用ソフト:Grapes 形態:各自操作
(授業計画) 直線の方程式,円の方程式の学習を終了してからの発展学習として実施。 

1時間目 2直線の交点を通る直線の方程式・2つの円の交点を通る直線の方程式(本時) 

2時間目 円と直線の交点を通る円の方程式・2つの円の交点を通る円の方程式

 
時間 授業内容・活動 留意点
20分 1.ワークシートを配付し,Grapesを起動させる。 chokusenk.gps 

2.問1(1)の方程式がどんなグラフになるかを式を見て考えさせる。 

3.陰関数を使って方程式を入力し,パラメータ−kの値を変えさせてグラフがどのように変化するかを調べさせる。 

4.5.@式から定点の座標を求めさせる。@式をkについて整理させ,式が常に成り立つための必要十分条件を考えさせる。連立方程式を解き,定点の座標を求めさせる。 

5.4.確認で,ABのグラフを描き,@がABの交点を通る直線になることを確かめさせる。2直線の交点を通る直線の方程式を確認する。

  
  
・x,yの1次式であることに注目 

・グラフが定点を通ることに気づかせる。 

・2つの直線の方程式を連立させることに気づかせる。 

・ABのグラフの色を@と変えさせる。

10分 6.問2(1)の2つの円をGrapesで描かせ,位置関係を確認させる。enkyoutuugen2.gps 

7.(2)の式のグラフを描き,どのようなグラフになるか調べさせる。 

8.2つの円の交点を通る直線の方程式の形を確認する。

・2点で交わることを確認。 

・(1)と色を変えさせる。 

・f(x,y)の表記法を補足。

15分 9.練習問題を解く。計算で解いた後,Grapesを使ってグラフを確認する。teisen2.gps ・(1)は計算方法を説明。
5分 10.授業ふりかえりシートを記入。
*授業実施後,赤数字の順番に変えてやった方が流れがスムーズになるかと思いました.

[授業をふり返って−授業担当者のコメント−〕

担当者:小野田啓子

この「2つの図形の共有点を通る図形の方程式を考える」授業は,2時間で構成した。
教科書(啓林館最新数学U)の中の「2直線の交点を通る直線の方程式」(2直線の一次結合式)と,円の学習終了後の章末の発展課題「円と直線の交点を通る円の方程式」とにさらに項目を追加して扱うことにした。

展開は,パラメーターkを含んだx,yの一次式をGrapesで描いてみて,この直線がどんな直線を表すのかを考える流れで行った。
2.の質問は,難しかったようで省いて進めてもよかったのかと思った。

3.の定点を通ることは,グラフをみて全員が確認できた。
ここで,4.のようにkがどんな値をとっても,問1(1)の方程式が必ず成り立つ条件を考えることから,x,yの連立2元1次方程式の解が問1(1)の方程式のグラフが通る定点の座標となることを,誘導しながら考えさせて扱った。式の意味を考えることは,省くことができないねらいであったが,生徒にとってはこの展開は難しかったようである。5.を先に持ってきて,結果をグラフで確認してから,4.を私の説明で終わらせたほうがよかったのかという点が反省点である。(この部分で時間を取ってしまい,6.〜9.が10分程しかなくなってしまったので。)

6.7.は作業をさせると,生徒からはグラフが表した結果への「驚き!」と, 「でも,なぜ?…何が起こったのか…」と考えている反応(と私は解釈したのですが)が返ってきた。時間が足りなくなったこともあり,8.の式の確認はグラフの結果を見て,こう表されるで終わりにした。「なぜ?」という生徒の反応には,十分に応えられなかったことが,もう一つの反省点である。

2つの円の共通弦については,問1の考え方と同様に2つの円の方程式を合成した式の特殊な場合になるわけであるが,2時間目の「2つの円の交点を通る円の方程式」を「2つの円の交点を通る円と直線の方程式」として,kの値をいろいろ変える中で2円の交点を通る円または直線が得られることを見つけさせたほうが自然であったと思う。